新潟シモ町散策の拠点消える…築100年を超える味噌蔵 あっさり取り壊し

港町の歴史を刻んだ味噌蔵がこうも簡単に壊されてしまうとは…。ショック。

創業百年を超え、湊町通のシンボル的存在だった石山味噌醤油の味噌蔵が取り壊されてしまった。石山味噌醤油は昨年末に民事再生法の適用を申請。でも味噌蔵は登録文化財に指定されていたから大丈夫だろうと安心していたんだけど…。
◇味噌蔵が国の登録有形文化財(建造物)に指定されている石山味噌醬油(株)が民事再生法申請 – ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/9614592/

石山味噌醤油の味噌蔵は、1906年頃に建てられたとされる。木造平屋建で、東から2号、3号、5号と3棟が連なっていた。国の登録有形文化財に指定されており、以前は毎週火曜日に一般公開していたが、31日の時点でほとんど壊されてしまった。文化財ってそんなに簡単に壊せちゃうの? 残された味噌樽が哀しい。
◇石山味噌醤油株式会社三号味噌蔵 文化遺産オンライン
http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/166892/2

これだけでも大ショックなのだが、ショックなことがもうひとつ。味噌蔵の脇には「竃家治四郎」というおにぎり屋さんがあった。おばさま店員さんが握るおにぎりと味噌屋の味噌汁がカウンターや囲炉裏端で味わえる、シモ町散策の拠点にぴったりなお店だったんだけど、こちらも一緒に取り壊されてしまったのだ。
◇湊町通おにぎり – 新潟シモフルのおんぼろビルに暮らす
http://yaplog.jp/furumachi/archive/675

お店の真ん中にはどーんと立派なかまどがあって…と説明するよりも、以前新潟市に来られた際に立ち寄られたブロガー、コグレマサトさんのブログ「ネタフル」に写真が多く載っていて詳しい。ホント、いいお店だったんだよ…。写真を見てると泣けてくる。
◇ [N] 「竃家治四郎(かまどやじしろう)」おむすびを食し“新潟”の美味さの秘訣を知る!(新潟市)
http://netafull.net/eat/038927.html

再生計画の過程で、湊町通の味噌蔵は役割を終えることになったのだろうか。重ねた歴史やそのブランド価値を理解しないやり方に腹も立つが、安価なプライベートブランドなどに押され苦しむ業界事情を考えると仕方ないのかもしれない。味噌だけじゃない。あらゆる食品がプライベートブランドと嗜好品だけになっていってしまうのか…。

本当ならこの歴史ある味噌蔵を残して、観光的要素も持ちながら港町新潟のブランドとして再生を図ってほしかった。みなとぴあや旧小澤邸など整備は進むけど、いまだに点と点という印象は拭えない。この味噌蔵のような立ち寄れる拠点があることで、点が線になり面になる。健在なうちに何かできることはあったんじゃないか…そう考えると悔しい。

なくなってから騒いでも後の祭り。残したいものはちゃんと買い支えないと。というわけで、帰り道に懐かしのお菓子「ゆか里」を買ってポリポリ。新しく登場したコーヒー味はなかなか美味い。ここにしかないオンリーワン。「シモ遺産」に(勝手に)認定して次代に残そう。ポリポリ。

新潟シモ町散策の拠点消える…築100年を超える味噌蔵 あっさり取り壊し」への1件のフィードバック

  1. はじめまして。あの、おにぎりのお店が無くなったと、いま初めて知りました。転勤族で今は仙台に住んでますが、約10年前に、ほんの1年新潟に住んでました。
    お店で食べたおにぎりが、美味しく美味しくてて、新潟に遊びに来てくれた母や友人をみんな連れていった定番のお店でした。
    店員さんも気さくで、お店の雰囲気もとても素敵だったのに、本当に残念です。
    それから十数回、新潟に遊びに行ってますが、まさか閉店してたなんて、、、寂しいです。移転は無さそうですか、、、?よその土地から来た者からみると、新潟の食文化を伝える重要な歴史的建物で、とても魅力的でした。私がお金持ちだったら、蔵ごと買い取ったのに、、、とまで思ってしまいます(^_^;)
    縁あって、今年また新潟に住むことが出来そうだったので、新潟在住の方のブログを読んで情報収集してました。
    今まで色んな土地に住んできましたが、一番好きな街は新潟です。私にとっては、風景が心に残る街なんです。
    お気に入りのお店が無くなったのは、とても残念ですが、再びの新潟生活を楽しみにしてます。ブログの情報、楽しく拝見させていただきます。

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