どうなる?古町花街…老舗割烹「有明」が百年を越える歴史に幕

夕方に通りかかると、花街建築の厨房から灯りと仕込みの音が漏れてくるのが好きだった。創業百年を越える老舗割烹の灯が消えるのは残念だ。

古町9の割烹有明が、4月末で閉店することとなった。古町周辺で十数軒となった芸妓さんの呼べる割烹のひとつで、明治38年に建築されたという木造の建物は実に趣がある。並びの料亭「美や古」や日本舞踊の家元・市山家とともに、東新道の花街らしい風景を形作っていた。

残念とはいうけれど、実は僕自身、お客さんとして有明さんに伺ったことがない。古町通り側にはスタンド割烹もあるのだが、そちらも入ったことはなかった。「通っていたお店がなくなって残念」という残念ではないのは、申し訳なく思う。

古町の昔からあるお店が閉店した時に、残念という台詞はよく聞くし、僕もよく言う。でもこれって、使っていたお店がなくなって残念、ではないことも実は多い。そのお店があった風景がなくなることが残念、というのが本当のところだろう。

古町8・9を中心とした花街の街並みが注目されはじめて、何年か過ぎた。東新道は石畳舗装されるなど、環境整備が進みつつある一方で、花街を構成する割烹や料亭の経営環境は厳しさを増しているようだ。事実、先に書いた美や古も、もう何年も休業状態が続いている。

割烹や料亭の経営がたち行かなくなった時に、花街の街並みが果たして維持されるかどうか。美や古は幸いオーナーさんがきれいに維持し続けているが、何かと大変なことと思う。有明さんも建物は残してくれるんじゃないかと思っているけど、実際のところはどうだろう。

行政負担で維持したら?という声も聞くが、現実的ではない。立地からしても文化財みたいにただ残すのではなく、使われてなんぼ。古町8のバー町田や西新道のすず家みたいに、建物の趣を残しながら別の業態として活用するのが理想的だろう。

それにしても、やはり残念なのは残念だ。先日新潟市で行われたG7農業大臣会合でも、料亭文化や芸妓文化といったおもてなしのある街をアピールしたばかりだった。残したいお店や街、文化は、ちゃんと利用して残さないと。「お前もなー」、はい…すみません。

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