奇跡の「理想国家」は実在した…シンガポールを再現することは可能か?

バスもMRT(地下鉄)もこの日は全線タダ。街のあちこちには独立50年を記念する「SG50」の垂れ幕などが見られ、公団には国旗がずらり。国の誕生日をみんなで祝っているんだね。なんだか新鮮。

行ってきました!独立記念日のシンガポールへ。相変わらず競い合うかのように建ち並ぶ高層ビル群や、国民あげて国旗と同じ赤い色の服を着て歩いていることにも圧倒されたが、今回MRTやバスで郊外の住宅地に行って、改めてきれいな街並みが印象に残った。

住宅地と言っても高層の公団住宅が並ぶ街並みは統一感があって、公団の間は芝生の広場が広がる。まるで全体が公園かテーマパークのよう。ちょっと放っておくと芝生広場もすぐにジャングルになってしまう熱帯で、このきれいさをどうやって維持しているのだろう?と思う。

東京23区とほぼ同じ面積に500万人が暮らすシンガポール。多くの国民がHDBと言われる何十階もの高層の公団住宅に暮らしている。東京も一戸建てや低層アパートでなくて、シンガポールのような高層公団に住めばもっと余裕ができるのでは?と思う。

みんなが同じ公団に暮らすのは無味乾燥に思えるかもしれない。でも実際には低層階部分に、ホーカーセンターと言われるフードコートや小さなお店群が備わってて、公団に暮らすお年寄りなどの憩いの場となっている。高齢化の進むシンガポールで、この空間の意義は大きい。買い物難民なんて言葉もないだろう。

交通機関だって、全駅にホームドアが備わったMRTと、MRT駅からターミナルへ屋根づたいで乗り換えられるバスが全土をカバーしている。実によくできている。クルマがなくても生活に不便はなさそう。マイホームもマイカーも必要ない生活、これは理想国家なのでは?とさえ思う。

でもここまで見てきて、ふと気づいた。芝生広場は広がっているけど、田んぼも畑もないぞ。そう、農作物などの食べ物はほとんどを輸入に頼っている。食べ物だけでない。水道水や電気まで、隣国マレーシアから引っ張ってきている。もし万が一これらを買うカネがなくなったら…。

それだけではない。きれいに整備された芝生広場。これらを整備しているのは、ほとんどがシンガポール人ではなくて就労ビザなどで入国した労働者だという。工業地帯に近いジュロンと呼ばれる辺りは、華人よりインド系の人が目立つ。労働者さえも「輸入」に支えられている。

独立から50年、奇跡と呼んでいい発展を遂げてきたシンガポール。でもそれは限界に来ているとささやかれている。教育などで差をつけてエリートを育ててきた国に、格差社会の影が近づいている。いや、それでも昼間から失業者が街のあちこちでたむろしているマレーシアよりはマシに見えるけど。

夕方から行われた独立記念パレードは、事実上の軍事パレードだった。小さな国でも、いや、小さな国だからこそ、しっかり守っていることをアピールするのは必要なのだろう。第二次大戦の日本占領下で亡くなった人々を慰霊する塔を、ぐるりと取り囲むように戦車や装甲車がパレードするのは少し複雑だった。

きれいな街並みを見て、こういう街が日本にあるのも悪くない、と一瞬思った。でもそれを維持するのは相当大変そうだ。それに田んぼをつぶしてきれいな芝生広場に…なんてやっぱりできないよなぁ。理想国家かもしれないけど、そのまま再現はできない。おコメ、大切。

あ、でもホーカーセンターは学ぶところがあるかもしれない。お年寄りの居場所も大切。そうか、越路会館か!

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