「仕組みをつくる」という仕事

「19番のバス停へ」と係員さん。そこには「路線バス」の表示のみ。不安になりながら待って、ようやく来たバスは「事前に窓口でチケットを買うように」。次に来たバスは、そのチケットでは乗れず、現金払いのみ。何なの、この不可解な仕組みは!

これはタイでの話ではない。日本に帰ってきて、成田空港から東京へバスに乗って行こうとした時の話なのだ。これ、海外で同じ目に遭ったら相当へこむ。というか、なんて融通の利かない不便な国なんだ、と思う。

本当は国内では「青春の旅」をする予定だったので、バスではなく青春18きっぷを使ってJRの普通列車で東京へ向かうつもりだった。しかし成田空港は特急の成田エクスプレスがメーンで、18きっぷでは乗れないという。

では仕方ない。東京までは電車ではなくバスにしよう。どうやらバスなら東京駅まで1時間ほどで着くらしい。東京へ行くには「リムジンバス」「東京シャトル」「THEアクセス成田」の3種類のバスがあり、後者の2つは1000円で行けるという。

乗り場近くにインフォメーション窓口があった。でもそこではバス停の番号を言われるだけ。冒頭に書いたように3種類のバスでそれぞれ乗り方が違うのだが、どこかにまとめて表示されているわけでもない。何の表示もないバス停で係員さんに言われて、ようやく違いに気づく。

インバウンドで外国人観光客が増えているとニュースでよく聞く。でもその玄関口である成田空港からこの実態だ。おそらく1000円で行けるバスは後発なのだろう。安くて便利なはずの1000円バスなのだが、仕組みがばらばらで分かりにくくなっている。

日本人は「仕事をこなす」「仕事をつくる」という面では評価が高い。でも「仕組みをつくる」という部分は、あまり得意ではないのかもしれないと前から感じている。

日本ではバスの運行やサービスは均質で、どのバスも当たり外れはない。最近ではこの1000円バスのように、規制緩和で新しいサービスも登場している。ただ、これら様々なサービスがばらばらのままだとしたら…。1000円バス事業者同士で統一した仕組みを作ればいいのに…と思うが、それがなかなかできていない。

バス会社を責めているのではない。もしかしたら自分自身も…と思うのだ。20代から50代まで、仕事人生40年。最初の10年は仕事をこなすこと、次の10年は仕事をつくることを精いっぱいやればよかった。40代に入り、今度はちゃんと仕組みを作らなければ、と思っている。

その都度イチから考えなくても誰でも仕事がちゃんとこなせるように。お客さんに「不便」「分かりにくい」と怒られなくて済むように。部署や会社の枠組みを越えて、もっとスムーズに仕事がまわせるように。広い視野から見た仕組みづくりが大事で、それができる(できなければならない)年代に入ってしまった。

現金払いのバスに乗って、次のターミナルで。「えー!このチケットじゃ乗れないの?」と係員さんに抗議してくるお客さんがいた。この係員さんは1日何人に同じことを言われているのだろう。そして会社の後輩にも同じような目に遭わせてはいけない、と思った。ちょっと新年の抱負っぽいでしょ?

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