水辺に見たリアルバンコク

船に乗って王宮周辺へ向かったバンコクのチャオプラヤー川。渡し船や観光船、高級ホテルのクルーズ船などが行き交う様子を見ると、新潟市の信濃川もこんな雰囲気ならいいのに、と思ってしまう。

すっかり東南アジア月間だった8月も、もう終わり。お盆前後の1週間でクアラルンプールからバンコクをめぐったんだけど、今回バンコクでは水辺を船で行き来することで、より本当のバンコクの姿に触れることができたような気がしている。

まずはチャオプラヤー川。バンコクの地図を見ると、左側にくねくねしている川がそう。この川にはさまざまな船が運行していて、王宮や寺院などを結ぶ観光船があると聞いていた。スカイトレインのサパーンタクシン駅を降りるとすぐ、船着き場であるセントラルピアに着く。

気持ちよさそうに寝ている犬の脇を通りすぎ船に乗ったら、それはただ単に対岸へ行くだけの渡し船。誰か教えてよー(同じ境遇の観光客が数人いた)、というわけで往復7バーツ(約25円)を払って、もとの乗り場に戻り、今度は左側の観光船乗り場へ。40バーツを払って、水色の旗を掲げた船に乗り込む。

出航すると、チャオプラヤー川の水面と広い空、そして川沿いに寺院や観光施設、水上の住居などが立ち並ぶ街の様子が見えた。バンコクの街はここから出来ていったのだろう。これが本当のバンコクの姿か。さわやかな川風に吹かれて、ちょっと感慨にひたる。

Tha Changという王宮近くの船着き場で降りる。王宮周辺は東京の皇居周辺のような場所をイメージしていたけど、実際にはどこまでも続く屋台街とカオスな人混みに包まれていた。国の中心も、やはりタイだった。なんだかうれしくなって歩き回って、最後は川を臨む食堂でアイスコーヒーを飲んでひと休み。

翌日、今度はセンセープ運河を行き来する船に家族で乗った。チャオプラヤー川よりはずっと狭い。栗の木川くらいだろうか。バンコクの街なかを東西に横切っている。この運河を、地元の人をいっぱいに乗せて船が運行している。けして広くない運河を、意外とスピードを出して進んでいく。地元の足だ。

船のへりを渡り歩いてやって来る車掌さん(船掌さん?)に、1~2バーツの船賃を払う。狭い船のへりでよく落ちないものだ。運転士さんは毛抜きで髭を抜きながら、片手で操縦している。他の船とすれ違う時は、運河の臭い泥水が入らないようにするするとビニールのカーテンを上げる。何かと危なっかしい感じが、日本ではあり得なくて楽しい。

このセンセープ運河沿いはチャオプラヤー川とはまた違う、リアルなバンコクの姿だった。ホテルのすぐ脇が運河沿いの街だったのだけど、そこはいわゆるスラムだった。バンコクなのでスラムとは言ってもあまり荒んだ雰囲気はなく「明るいスラム」なのだけど、明らかに不法占拠と思われるバラックの家並みが続いていた。

ガイドブックの地図などをみても、この運河沿いは空白になっている箇所が多い。これらの多くはスラムだ。でもバンコクの街で見かけるトゥクトゥクやバイクタクシーの運転手や、屋台の主人などは、スラム街に住む者も多いという。マイナス面だけでない。街の大事な魅力を支えているのも彼らなのだ。

そんな庶民の運河を、夕方はめいっぱい、乗せられるだけ乗客を乗せて、船は進む。暗くなり始めた水際の住居や屋台の先に、プラティナムのキラキラしたショッピングモールが見えてきた。そろそろ降りようか。

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