谷根千は本の街、古町は…?

街おこしとか、地域おこしとか。全国どこも起こしたがっている。でも「起こす必要なんてない、いっそ寝たままの方がいいと思う街もある」という佐藤店長の指摘には、なんだか納得してしまった。

『谷根千ちいさなお店散歩』発刊を記念して 、作者の南陀楼綾繁(なんだろうあやしげ)さんと、北書店の店主である佐藤雄一さんのトークイベントがきのう行われた。谷根千というのは東京の谷中、根津、千駄木の頭文字を合わせた呼び名で…という説明ももはや不要か。街のブランドとして定着している。

谷根千に長年暮らしていた南陀楼さん。すでに谷根千は多くの散策客などでにぎわっていた。でも高齢者メーンの和風レトロな街、というとらえ方には違和感があったという。この街のもっと違う側面にスポットを当てたい。「本」をテーマに街を再編集しようと立ち上がったのが、ちょうど10年前という。

こうして生まれたのが、本をテーマに街をとらえ直したマップ「不忍ブックストリート」と、誰もが一箱分の本屋さんになれる「一箱古本市」。今では谷根千にとどまらず、全国各地で街おこしコンテンツとして一箱古本市が行われている。新潟市でもこの3年ほどで何回か、商店街イベントとして開催された。

でも、もともとにぎわいのある街をとらえ直すために始めた一箱古本市が、街おこしのメーンコンテンツとして行われていることに、南陀楼さんの中ではとまどいもあるようだ。そもそも街おこしにイベントは必要なのか。一過性のイベントで街は本当に活性化するのか。お店の人はどう感じているのか。

「起こす必要のない街」がどこのことなのかは、ここでは書かない。でももしかしたら古町だってそうかもしれない。たしかに物販店や全国チェーンの飲食店はだんだん撤退して、人通りなど年々寂しくなっている。でも今残っている地元の飲食店などは、そこそこ流行っているところが多いのも事実だ。

「古町の飲食店は医者関係と弁護士さん、金融関係のお客さんをちゃんとつかんでいれば大丈夫」という話はよく聞く。実際そういう方々のおメガネにかかるお店が多いということでもある。ヘタに街おこしして、全国チェーン店が大挙してやって来たとしても、古町にとってプラスになるとは限らない。

谷根千は本をテーマに街を再編集した。古町は何がテーマになるだろう。いや、古町くらいの規模ならひとつに絞る必要もないかもしれない。この街に重なりあう様々なレイヤーをすっと切り取って、街の新たな側面として発信できればいい。「寝たふりしているみたいだけど、実はね…」と言えるように。

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