新潟版「里山資本主義」の村

集落のあちこちに、薪が山積みになっている。まわりには畑や果樹園。おお、これは豊かだ。直感的に思った。

藻谷浩介氏とNHK広島取材班が書いた『里山資本主義』という本が売れている。ようやく読み始めたんだけど、「はじめに」で早くも引き込まれた。少し長いけど引用する。

『もっと稼がなきゃ、もっと高い評価を得なきゃと猛烈に働いている。必然、帰って寝るだけの生活。ご飯を作ったりしている暇などない。だから全部外で買ってくる。洗濯もできず、靴下などはしょっちゅうコンビニエンスストアで新品を買っている。
ここで大事な点は、猛烈に働いている彼は、実はそれほど豊かな暮らしを送っていないということだ』
しかし、彼は突然リストラされる。
『失意の彼は田舎に帰った。たいした働き口もない。地元でとれる果物で完全無添加ジャムを作るジャム屋さんで働くことに。給料は以前の十分の一。やれやれ、とんだ貧乏暮らしが始まった。
ところが、このジャム屋に集まってくる人たちの話を聞いて、目から鱗が落ちた。みんな、驚くほど豊かに暮らしているというのだ』

僕は実は、里山主義より都市生活主義。雪深い山奥の集落などを見ると、古町のマンションにでも暮らせばいいのに、と思ってしまう。これからの日本はどんどん人口が減る。都市部に人口と資本を集中させた方が効率がいいはず(では新潟ではなく東京に暮らせば、と言われると困ってしまうけど)。

でも地震や水害など、たび重なる災害で思った。便利な都市生活にも盲点がある。一番感じたのは、今冬の関東地方の大雪。新潟は平気なのに、関東からの物流が止まりコンビニから物がなくなった。便利な生活とは、ジェンガでできた塔のようなもの。少しでも何かが外れれば、一気に崩れてしまう。

きょうは仕事で、村上市(旧朝日村)の中山間地の集落へ行ってきた。戸数180戸弱、人口は700名あまり。朝日連峰から流れる川沿いにできた谷に、肩を寄せ合って暮らす。農業と林業が盛んで、先日は東京日本橋の県のアピール施設で物産展も行ったという。様々な方法で、中山間地の元気を発信している。

燃料と食料が自給できているのは、やはり大きい。遠くの大雪でコンビニから食料が消えてしまうような、不安定な便利とは違う。冬はかなり雪が積もるようだが、それでもしっかり地に足をつけて生活している。そして東京の人たちをも魅了する農産物を作り出す。これぞ新潟版「里山資本主義」といえそうだ。

幼稚園も学校もなくて、子どもたちは市が出すスクールバスで街へ通う。現実的にはいろいろ大変なこともありそうだ。うまく都市生活とバランスを取る方法論はありうるだろうか。『里山資本主義』を読み進める中で、見えてくるといいなぁ…と思う。

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