クォン・デ、永遠の0、ダコタ

2月も、読んだ本3冊を自分用にメモ。今月は戦争もの特集という感じだが、アジアに旅に行くなら(いや、行かなくても)知っといて損はない。

■『クォン・デ〜もう一人のラストエンペラー』森達也

戦前日本に渡り、祖国に帰れぬまま人知れず亡くなったベトナム皇太子の生涯に迫りながら、日本とアジアの歴史をひもとく。新潟高校出身の映画監督で作家の森達也氏による渾身の1冊。本は廃版になったのか?見つからなかったが、Kindleで見つかった。廃版された本も電子版なら生き残る。すばらしい。

欧米列強に植民地支配されていたアジア諸国にとって、日本は希望の星だった。日本に学び主権回復を目指そうと、革命家らの協力で皇太子クォン・デは日本に渡る。当初は犬養毅や大隈重信ら有力者の後ろ楯で活動したが、日露戦争、5・15事件、2・26事件などを経て、日本が徐々に変容していく。

日本はインドシナやマレー半島を侵略したのか、ずっと疑問だった。森氏は『侵略や略奪も事実だし、アジアの独立運動に貢献したこともまた事実』と書く。日本軍は欧米列強を追放したが、アジアを解放したというのはおこがましい。日本に翻弄され続けたクォン・デの人生に、日本とアジアの歴史が重なる。

■『永遠の0』百田尚樹

この本については、以前にもここに書いた。最後まで読んで思うことは変わらない。この小説に書かれた日本の歴史は、同じ過ちを繰り返さないためにも忘れてはいけないこと。そんな作家のメッセージを一人でも多くの人に、読んで感じ取ってほしい。

・忘れてはいけない歴史に学ぶ | 新潟シモ古町 ときどき脳内マレー半島
https://furumachi11.wordpress.com/2014/02/11/%e5%bf%98%e3%82%8c%e3%81%a6%e3%81%af%e3%81%84%e3%81%91%e3%81%aa%e3%81%84%e6%ad%b4%e5%8f%b2%e3%81%ab%e5%ad%a6%e3%81%b6/

でも作家の百田氏の極右的な発言などが話題になっているためか、この作品まで「特攻隊を美化している」などと言われている。本当にちゃんと読んでる?と言いたくなる。全然美化していないでしょ? もしかして映画だけ観て言っているんじゃない? いや、僕も映画はまだ観ていないけど。観なくちゃ。

■『飛べ!ダコタ〜銀翼の渡り鳥』石坂智惠美

こちらは映画をちゃんと観た。しかも2回。戦後まもなくの佐渡でこんな奇跡のような史実があったとは。しかも、資金が思うように集まらず撮影が途中で中断するなどの紆余曲折を乗り越え完成にこぎつけたという、2つの奇跡に感動したのだった。映画自体の出来もすばらしい。地元として誇りに思う。

・県民必見『飛べ!ダコタ』 | 新潟シモ古町 ときどき脳内マレー半島
https://furumachi11.wordpress.com/2013/09/23/%e7%9c%8c%e6%b0%91%e5%bf%85%e8%a6%8b%e3%80%8e%e9%a3%9b%e3%81%b9%ef%bc%81%e3%83%80%e3%82%b3%e3%82%bf%e3%80%8f/

・佐渡が舞台「奇跡の映画」再び | 新潟シモ古町 ときどき脳内マレー半島
https://furumachi11.wordpress.com/2013/12/23/%e4%bd%90%e6%b8%a1%e3%81%8c%e8%88%9e%e5%8f%b0%e3%80%8c%e5%a5%87%e8%b7%a1%e3%81%ae%e6%98%a0%e7%94%bb%e3%80%8d%e5%86%8d%e3%81%b3/

そして小説版『ダコタ』。映画に比べると演出的なシーンが少なく、こちらの方がより史実に近いのかな、と思う。その分、半年前まで「鬼畜米英」と恐れ嫌った相手をもてなすことへの葛藤や、葛藤を乗り越えた先の心の交流が丁寧に描かれ、心にじんわり染みる。やっぱり奇跡のストーリーだわ、これは。

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